Column
コラム
2019.12.07
症例:重度の出っ歯、口ゴボ、過蓋咬合の治療例

K Braces矯正歯科原宿駅前 院長
小林聡美 satomi kobayashi
アメリカアラインテクノロジー社認定 インビザライン専門ドクター
デンツプライシロナ社認定 SureSmile Advance/Orhto/Aligner 認定クリニック院長
アラガン社認定 VST:Very Sophisticated Treatment 施注資格ドクター
都内矯正専門クリニック院長を経て平成30年にK Braces矯正歯科原宿駅前院長就任。
発表論文、テレビ出演多数。
こんにちは。K Braces矯正歯科原宿駅前 院長の小林聡美です。
今回は重度の出っ歯と口ゴボの治療例を紹介をさせて頂きます。
出っ歯と口ゴボはとてもご相談が多い症状ですので、多くの方の参考になると思います。
※こちらの記事は今回の患者様の事例です。
重度の出っ歯と口ゴボでご来院になりました
29歳女性、治療前の横顔です。
冒頭でも記したように、重度の出っ歯といわゆる口ゴボの改善を行いたいとのことでした。
口ゴボは上下顎の前歯が過剰に前に傾いたことが原因で唇が前に突き出している状態で、気にされる方がとても多いです。
お口の中の写真です。
上顎の前歯が突出し、重度の過蓋咬合(DEEP BITE)も伴っています。
横顔の写真を見ていただくと、口元が前方に突き出していることがお分かりいただけると思います。
上下抜歯よりも安全性を取りました
このような場合、上下の歯を抜いて可能な限り前歯を後方に下げるほうがより口元の改善につながります。
ですが、3Dシミュレーションの結果から、上顎前歯の歯根吸収のリスクが高いことが分かりました。
歯根吸収とは矯正治療でしばしば認められる副作用なのですが、歯を後方に移動する量が大きいとそのリスクが高くなってしまいます。
患者様へのご説明、治療プランの決定
無料カウンセリングから診断を経て、患者様とリスクや副作用などについてのお話を入念に行い、ご納得を頂けました。
こちらのご説明内容はとても重要な情報ですのでいつも掲載しています。お読みの方はぜひチェックしておいてください。
- 診断:口唇閉鎖不全、重度な出っ歯(OVER JET)、上下顎前歯の唇側傾斜(歯槽性の上下顎前突)、過蓋咬合(DEEP BITE)、上下顎中等度の叢生
- 治療法:上顎左右第一小臼歯の抜歯、裏側矯正による矯正治療
- 治療期間:2年
- リスク:治療中の虫歯の可能性、上顎前歯の歯根吸収
- 副作用:治療中の矯正装置による口内炎、治療後の抜歯空隙の後戻り
患者さまに3Dモデルをご覧頂きながら説明をさせていただいた結果、より歯根吸収のリスクが少ない上顎のみを抜歯し、治療を行うこととなりました。
上顎のみの抜歯で、かなりの改善ができました
歯根吸収のリスクを最小にするため上顎のみを抜歯し、前歯を後退させました。
過蓋咬合も改善し、とても良い咬合にすることができました。また上顎のみの抜歯にもかかわらず、効果的に口元の改善を行うことができました。
術後の写真です。横顔は口ゴボがかなり改善されました。
スッキリした印象になりました。
お口の中の写真です。
歯並びが綺麗に整いました。
横から見ると、出っ歯の改善がよく分かります。
上顎だけの抜歯でここまで改善できました。予定通りの治療結果になることは歯科医師として嬉しく、そして安心できる瞬間です。
治療期間は当初の予定を大きく短縮できました
治療期間は、1年8ヶ月でした。
- 抜歯とその後の凸凹の改善:4ヶ月
- 抜歯したスペースの閉鎖:1年2ヶ月
- 最終的な咬み合せと配列の調整:2ヶ月
治療期間は当初の予定の2年を約4ヶ月短縮、1年8ヶ月で治療を終えることができました。
患者様もとても満足しておられ、私もとても嬉しく思いました。
今回歯根吸収リスクの回避をしたように、治療プランは安全が優先されるこということをご理解いただけたと思います。
3Dデジタル矯正では従来の方法に比べ、圧倒滴に詳細なリスク管理を行うことができます。
安全性が高く、短い期間で治療を提供することができるのが、3Dデジタル矯正のシステムとしての優位性だと思っています。
どうぞお気軽にご連絡ください!