笑ったときに前歯が目立つ
横顔のラインが気になる
……そんな悩みを抱えていませんか?
上顎前突、いわゆる「出っ歯」は見た目だけでなく、噛み合わせや健康面にも関わることがあります。
出っ歯の原因やセルフチェックの方法、治療の流れ、注意点までをわかりやすく解説します。
軽度と重度の違いや、抜歯の必要性についてもお伝えしますので、治療を検討している方はぜひ参考にしてくださいね。
上顎前突(出っ歯)とは?
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「出っ歯かも…」と気になるとき、見た目のことばかりが心配になってしまうかもしれません。でも実は、歯のかみ合わせや口の機能にも関わる大切なポイントなんです。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)は、上の前歯や上あごが前方に突出している状態を指し、専門的には“オーバージェット(上下の前歯の前後的なずれ)”が基準値より大きい場合に診断されます。
まずは、上顎前突の定義やセルフチェック方法、重度・軽度の基準、見た目や健康への影響について確認していきましょう。
出っ歯とはどういう状況?

出っ歯(上顎前突)は、上下の奥歯をかみ合わせたときに、上の前歯が下の前歯よりも前に大きく出ている状態をいいます。
一般的に、上と下の前歯の間隔(オーバージェット)は2〜3mmが正常範囲とされています。
この値を超えると、横から見たときに前歯が前方に出ているように見え、いわゆる「出っ歯(上顎前突)」の傾向とされます。
上顎前突には主に2つのタイプがあります。
歯性上顎前突:歯の生える位置や角度に問題があるケース
骨格性上顎前突:上あごの骨が前に出ているなど、骨格の発育に起因するケース
また、横顔で見たときに上唇が目立ったり、下唇が引っ込んで見えたりすることも。
見た目だけでなく、「口が閉じにくい」「発音しづらい」さらには、口元のケガのリスクなどさまざまな機能にも影響が出ることがあります。
これって出っ歯?セルフチェック
次のような特徴があれば、出っ歯の可能性があります。
以下のチェックリストでチェックしてみましょう。
これって出っ歯?セルフチェック ・横顔を鏡で見たとき、上唇や前歯が前方に出ている ・口を閉じるときに顎や唇に力が入り、梅干しのようなシワができる ・上の前歯が下の前歯より大きく前に出ている ・笑ったときに上の前歯だけが目立つ ・口を閉じても前歯が見える、または唇が閉じにくい ・発音がしづらい(サ行・タ行など) |

鏡を見ながらチェックしてみましょう。
気になる項目が複数ある場合は、専門医に相談してみることをおすすめします。
軽度と重度の基準
上顎前突は、前歯の突出度合いや噛み合わせの状態によって「軽度」「中度」「重度」に分類されます。
軽度 前歯が少し出ているが、見た目もそれほど気にならない 必ずしも治療不要、希望があればマウスピース矯正など |
中度 はっきりと前歯が出ている 口が閉じにくい、発音・歯磨きに影響 矯正治療が推奨される(ワイヤー矯正やマウスピース矯正) |
重度 前歯が大きく前に出ている、または下あごの後退が著しい状態 口が閉じられない、顔立ちに影響 外科的矯正を含む治療が必要なことも |
実際の診断では、レントゲンや模型などの検査を通じて専門的に判断されます。
健康に与える影響
上顎前突は、見た目のコンプレックスだけでなく、以下のような健康リスクもあります。
- 前歯が突出していることで、転倒時などに歯をぶつけやすい
- 口呼吸になりやすく、体調や姿勢に影響を及ぼすことも
- 噛み合わせが悪く、食べ物が噛みにくい
- スポーツ中や事故の際に前歯が折れたり唇が切れるなどの口元のケガのリスクも
- 口が乾きやすくなることで、間接的に虫歯や歯周病リスクが高まる可能性も
こうした機能的な問題に気づきにくい場合もあるため、「気にならないから大丈夫」とは限りません。
気になる症状がある方は、早めにチェックを受けてみましょう。
見た目や心理的な影響
見た目の印象に大きく関わる上顎前突。
特に横顔のバランスが気になる、笑ったときに前歯ばかりが目立つ、などの審美的な悩みを抱える方は少なくありません。
公益社団法人 日本矯正歯科学会によると、出っ歯による外見上のコンプレックスが自己評価や社会的行動に影響を与える場合もあるとされています。
小児ではからかわれたり、思春期には人前で口元を隠してしまったりと、心理的ストレスに繋がることもあるでしょう。
出典:公益社団法人 日本矯正歯科学会 矯正歯科診療のガイドライン 上顎前突編
https://www.jos.gr.jp/asset/guideline_maxillary_protrusion.pdf
上顎前突の原因

「なぜ自分は出っ歯なの?」
「家族も同じような歯並びだけど、もしかして遺伝?」
と疑問に思う方も多いはずです。
実は、上顎前突の原因は一つではありません。
骨格の特徴や歯の生え方、日常のクセなど、さまざまな原因が複雑に関係しています。
ここでは、主な原因について順番に見ていきましょう。
骨格が原因の場合
骨格に原因があるケースでは、上あごの骨が前に出ている、もしくは下あごが後ろに下がっているケースが多いです。
このタイプは遺伝による影響が大きく、特に親子で似たあごの形や歯並びになることも。
骨格性の上顎前突は、歯だけの矯正では限界があり、成長期の早い段階で治療に取り組むとより良い効果が期待できます。
大人の場合、成長が止まっているため、骨格性の問題は矯正装置だけで解決できないこともあります。
歯並びや歯の傾きが原因の場合
歯自体の位置や角度が影響して、上顎前突のように見えることもあります。
たとえば、前歯だけが前に傾いていたり、あごの大きさに対して歯が並ぶスペースが足りないために、歯が前方に押し出されてしまう場合です。
このタイプは、比較的矯正治療で整えやすいといわれています。
習慣によるもの

長年のクセも上顎前突の原因になります。
- 指しゃぶり
- 舌で前歯を押すクセ(舌突出癖)
- 口呼吸
- 唇を噛むクセ
こうした習慣が長く続くと、歯の位置やあごの成長に影響を与えることがあります。とくに成長期のお子さんには、早めの対応が大切です。
また、姿勢の悪さも、あごの成長方向に影響する場合があります。
遺伝と生活習慣の関係
「家族に出っ歯の人がいるから…」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに骨格的な要素は遺伝の影響が大きいですが、日々の生活習慣によって予防や改善ができることも多いんです。
早めに専門医のアドバイスを受けることで、将来的なリスクを軽減できます。
上顎前突の治療方法

「出っ歯を治したい」と思っても、自分にどんな治療が必要なのか、具体的な方法まではわからない方も多いのではないでしょうか。
上顎前突の治療にはいくつかの選択肢があり、歯並びだけでなく骨格や年齢によっても適した方法が異なります。
ここでは主な矯正方法をご紹介します。
ワイヤー矯正(表側・裏側)
もっとも広く行われているのがワイヤー矯正です。
歯の表側にブラケットをつけてワイヤーで動かす「表側矯正」と、裏側(舌側)につけて目立ちにくくする「裏側矯正」の2種類があります。
メリット: あらゆる症例に対応可能で、治療のコントロール性が高い。 デメリット: 表側は見た目が気になる。裏側は慣れるまで違和感が強い。 |
上顎前突のように、前歯を後ろに引く必要がある治療では、力をかけやすいワイヤー矯正が適しています。
最近では、白いブラケットやワイヤーを使用することで目立ちにくい選択肢も増えています。
マウスピース矯正(インビザライン等)
透明なマウスピースを使う矯正方法では、装置が目立ちにくく取り外しも可能なため、人気の高い治療法です。
軽度〜中度の上顎前突には対応できることが多いですが、歯の移動量が大きい場合は難しいこともあります。
メリット: 装置が目立ちにくく、痛みや違和感が比較的少ない。取り外しが可能で衛生的。 デメリット: 1日20時間以上の装着が必要で、自己管理が欠かせない。重度の症例には対応が難しい場合がある。 |
骨格性の場合に外科手術が必要なケース
骨格的に上あごが前に出ていたり、下あごが大きく後退している場合は、歯だけを動かす矯正では十分な改善が難しいことも。
そうした場合には、外科的矯正(外科的手術+矯正治療)が選択されることもあります。
特に成人で成長が止まっている場合は、外科手術がより現実的な選択となることもあります。外科手術に不安を感じる方も多いですが、機能面・審美面ともに大きな改善が見込めます。
一方、子ども(成長期)の場合は、あごの成長を利用しながら上あごの成長を抑えたり、下あごの成長を促す装置を使った治療が可能です。
抜歯が必要なこともあるの?
上顎前突の矯正治療では、「抜歯が必要」と言われることがあります。
驚いたり、不安に感じたりする方もいるかもしれませんが、すべてのケースで抜歯が必要になるわけではありません。
抜歯が検討されるのは、次のような場合です。
抜歯が必要なケース ・歯の並ぶスペースが足りず、前に押し出されている場合 ・重度の上顎前突で、前歯を大きく後退させる必要がある場合 ・歯の大きさとあごのバランスが著しく悪い場合 |
抜歯後のすき間はどうなるの?
抜歯によってできたすき間は、歯を移動させるために計画的に活用されます。治療が完了すれば、すき間はしっかり閉じて目立たなくなります。
「抜歯矯正はすき間が残るのでは?」という不安の声も聞かれますが、適切な診断と治療計画のもとで行われれば、そのような心配は基本的にありません。
治療の流れと期間・気をつけたいこと

「矯正治療ってどんな流れ?」
「どれくらいの期間がかかるの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
ここでは、上顎前突(出っ歯)の矯正治療の一般的な流れや期間、治療中・治療後に気をつけたいポイントを確認していきましょう。
治療の流れ
矯正治療は、次のようなステップで進んでいきます。
①初診相談・精密検査 歯並びや噛み合わせ、あごの状態を詳しく調べます。 レントゲン撮影や口腔内写真、歯型の採取などを行い、正確な診断を行います。 ②治療計画の立案 抜歯の有無や治療方法を決定し、治療期間や費用の説明があります。 不安なことはこの段階でしっかり確認しておくと安心です。 ③矯正装置の装着 ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、選択した装置を装着します。 このとき、装置の使い方や注意点についての説明も受けます。 ④定期調整・通院 1~2ヶ月に1回程度の通院で、歯の動きや装置の調整を行います。 ⑤治療完了・保定期間 歯並びが整ったら装置を外し、リテーナー(保定装置)で後戻りを防ぎます。 |
治療のビフォーアフター
「本当に見た目は変わるの?」
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
実際の症例を見ていただくと、矯正治療によってどのような変化が起きるのかがよりイメージしやすくなります。
ここでは、上顎前突の治療前と治療後の変化をご紹介します。


治療を通して、見た目だけでなく口元のバランスや噛み合わせも大きく改善されることがわかりますね。
一歩を踏み出すことで、自然な笑顔と自信を取り戻した方がたくさんいらっしゃいます。
あなたもぜひ、未来の笑顔を想像しながら、矯正治療を前向きに検討してみてください。
治療期間の目安と気をつけたいこと
治療にかかる期間は、症状の程度や治療内容によって異なります。
おおまかな目安は以下のとおりです。
- 軽度の場合:半年~1年半程度
- 中度~重度の場合:2年~3年半程度が一般的
- 抜歯や外科手術を伴う場合はさらに長くなることも
治療中・治療後に気をつけていただきたいポイントもあります。
気をつけたいこと ・装置の違和感や痛みがある場合、数日で慣れることがほとんどです。 ・歯磨きは念入りに。虫歯や歯周病のリスクをさげましょう。 ・ガムやキャラメルなど粘着性のあるものは避けましょう。 治療後のリテーナー装着は、歯並びを安定させるために非常に大切なステップです。歯科医師の指示通りに使用しましょう。 |
このように、矯正治療は段階を追って着実に進めていくものです。不安や疑問があれば、遠慮せずに矯正歯科で相談することが大切です。
まとめ:出っ歯は早めの相談・治療で安心!

出っ歯(上顎前突)は、見た目のコンプレックスだけでなく、かみ合わせのバランスや口腔内の健康にも深く関係しています。
原因や症状は人それぞれ異なりますが、早めに対処することで、よりスムーズな改善が期待できます。
「本当に治るのかな?」「大人になってからでも間に合うの?」
そんな不安を抱えている方こそ、まずは信頼できる矯正歯科で相談してみてください。
専門的な診断を受けることで、自分に合った治療法がきっと見つかります。
自分らしく、心から笑える毎日を過ごすために。
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