矯正治療を始めてから、「なんとなく口臭が気になるようになった」と感じていませんか?
人と話すときに不安になったり、自分では気づきにくいからこそ心配になるものですよね。
矯正治療中は、装置の影響でお口の環境が変わり、普段よりもにおいが出やすくなることがあります。
それでも、正しいケア方法や原因を知っておけば、過度に心配する必要はありません。
この記事では、矯正中に口臭が起こりやすくなる原因とその対策について、わかりやすくお伝えしていきます。
原因を知って正しく対策すれば、口臭を気にせず安心して治療を続けられます。
安心して矯正治療を続けるための第一歩として、ぜひ参考にしてくださいね。
矯正中に口臭が起こりやすくなるのはなぜ?

「矯正を始めてから、なんだかお口のにおいが気になる…」
そんな声を耳にすることは、実は少なくありません。
普段どおりに歯磨きをしているのに、ふとした瞬間に「ん?」「大丈夫かな?」と感じるようになった…。
それは矯正によってお口の中の環境が変化しているサインかもしれません。
ここでは、矯正中に口臭が起こりやすくなる主な理由について、わかりやすく解説していきます。
「なぜそうなるのか?」がわかると、対策のヒントも見えてきますよ。
矯正装置と口腔環境の変化
矯正装置をつけると、違和感を覚える方も多いでしょう。
歯や歯ぐき、舌が装置に触れることで、お口の中には常に「異物がある状態」が生まれます。
この変化によって、
- 舌や頬の動きが制限され、自浄作用(自然に汚れを流す力)が低下
- 装置のまわりに汚れがたまりやすくなる
- 舌が装置に当たることで、舌の表面に白い汚れ(舌苔:ぜったい)がつきやすくなる
といったことが起き、結果として細菌が増えやすくなってしまうのです。
磨き残し・食べかすが溜まりやすくなる理由
矯正中は、歯とワイヤーやブラケットの間に細かなすき間がたくさんできます。
このすき間に食べかすやプラーク(歯垢)が入り込みやすく、通常の歯磨きでは届かない場所が増えてしまうのです。
すると、お口の中ではこんなことが起きています。
- 食べかすをエサにして、細菌が繁殖
- 細菌が食べ物を分解することで「揮発性硫黄化合物(VSC)」というガスが発生
- このVSCが卵が腐ったようなにおいの正体
つまり、見えないところでにおいのもとが作られてしまっているというわけです。
唾液の減少・細菌繁殖との関係
口臭の予防にとても大切な役割をしているのが「唾液」です。
唾液には、お口の中を洗い流す「天然のデンタルリンス」のような働きがあります。
ところが、矯正中は以下のような理由で唾液が減りやすくなります。
- 装置の違和感でお口が開きやすくなり、口呼吸になりやすい
- 話す・食べるときに気を使って唾液の分泌が減る
- 慣れない装置により、無意識に緊張状態が続く
唾液が減ると、細菌が流されずにそのまま増えやすくなります。
結果として、口臭が発生しやすい環境が整ってしまうのです。
「自分のケアが足りてないのかな…」と心配になるかもしれませんが、矯正中は誰でも口臭が出やすくなる条件がそろっているということ。
だからこそ、正しく原因を知って、適切なケアをしていくことが大切ですね。
矯正装置別に見る口臭の原因
矯正中に口臭が気になるとき、その原因や対策は装置の種類によって少しずつ異なることがあります。
「ワイヤー矯正だからこそ気をつけたいポイント」や「マウスピース矯正ならではの注意点」など、ご自身の治療法に合わせたケアを知ることは、より効果的な対策につながります。
ここでは、代表的な3つの矯正スタイルについて、それぞれに起こりやすい口臭の原因をわかりやすくまとめました。
ご自身が当てはまるケースを参考にしながら読み進めてみてくださいね。
ワイヤー矯正の場合

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを貼りつけ、そこにワイヤーを通して力を加えていく治療法です。
多くの方がイメージする “ザ・矯正”という見た目ですね。
このタイプの矯正で口臭が起こりやすい理由には、以下のようなものがあります。
・ブラケットと歯の間に食べかすが詰まりやすい ・歯ブラシが届きにくく、磨き残しが多くなりやすい ・金属部分にプラークが付着し、細菌が繁殖しやすい |
とくに注意が必要なのは、磨き残しが“見えにくい・取りにくい”状態で放置されてしまうことです。
「しっかり磨いているつもりなのに…」という方こそ、鏡で丁寧にチェックする習慣が大切になります。
マウスピース矯正の場合

透明なマウスピースを使用する「マウスピース矯正(インビザラインなど)」は、見た目に目立ちにくく、取り外しができるのが大きな特徴です。
口臭に関しては、マウスピースの取り扱い方がとても重要なポイントになります。
たとえば…
・マウスピースをしっかり洗えていない ・長時間つけっぱなしで唾液の流れが妨げられている ・装着前にお口の中が清潔でないまま使用してしまう |
などのケースで、においがこもったり、菌が繁殖しやすくなったりすることがあります。
特に、食事のあとにマウスピースをすぐ装着すると、汚れが閉じ込められてしまうため要注意です。
使用前後には必ず歯磨きとマウスピースの洗浄を習慣にしましょう。
子どもの矯正(小児矯正)の場合

お子さんが矯正治療を始めたとき、「最近ちょっとにおうかも?」と感じる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
小児矯正は、取り外し可能な装置を使うケースや、乳歯と永久歯が混ざった状態で行うこともあり、清掃の難しさと習慣づけの難しさが口臭の原因になることがあります。
具体的には…
・お子さん自身でしっかり磨けていない ・装置のお手入れが不十分 ・虫歯や歯肉炎になっていることに気づいていない |
といったことが口臭につながるケースです。
お子さんのケアは、ご家庭でのサポートがとても大切。
毎日の歯磨きチェックや、装置のお手入れの声かけを通して、においの元を早めに防いでいきましょう。
矯正で口臭が改善することもある?
実は、矯正治療によって口臭が改善されるケースもあることをご存じですか?
矯正前は、
- 歯並びがガタガタで歯ブラシが届きにくい
- 噛み合わせが悪くて口が開き気味、口呼吸になりやすい
- 舌やほっぺが動きづらくて汚れがたまりやすい
といった環境が、口臭の原因になっている方も少なくありません。
歯列矯正によって歯並びが整うと、歯みがきがしやすくなり、プラーク(歯垢)や食べかすがたまりにくくなるため、お口の中の衛生状態が改善され、結果として口臭の軽減につながることがあります。
もちろん、矯正中はケアが必要ですが、治療後の「においの気にならない口元」を楽しみに、前向きに続けていけるといいですね!
自宅でできる!口臭予防の正しいケア方法

矯正中の口臭を防ぐためには、毎日のセルフケアがとても大切です。
「何度も歯を磨いているのに、においが気になる…」と感じている方も、もしかするとケアの仕方がご自身の装置に合っていないだけかもしれません。
この章では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正をしている方がおうちでできる予防ケアの方法を、道具選びや食習慣も含めてご紹介していきます。
毎日のちょっとした工夫で、お口の状態はぐんと変わりますよ。
おすすめの歯磨き方法と補助器具
ここまでお話ししてきたとおり、矯正中は、ふつうの歯磨きだけでは届きにくい場所に汚れが残りやすいため、補助器具を上手に使うのがポイントです。
おすすめのケア方法と道具はこちら ・タフトブラシ:細かい部分や装置のすき間をピンポイントで磨ける小さなブラシ ・歯間ブラシ:ブラケットとワイヤーの間に入り込み、プラークをしっかり除去 ・電動歯ブラシ(矯正用ヘッド):磨き残しが少なく、時短にもなる ・鏡を使ったセルフチェック:目で見て確認することで磨き残しに気づきやすい |
磨く順番や時間帯にも工夫を。
たとえば、
「毎晩寝る前は時間をかけて丁寧に」
「朝はマウスピース装着前に必ずチェック」
など、1日1回でも丁寧に磨く時間を作ることが大切です。
マウスウォッシュ・フロスの使い方
歯磨き後の仕上げとして、マウスウォッシュやデンタルフロスも活用しましょう。
とくににおいの原因となる細菌は、歯ぐきの境目や歯と歯の間に潜んでいます。
使い方のポイント ・マウスウォッシュ:口臭対策には、殺菌成分入りの含嗽薬がおすすめ。アルコールタイプやグルコン酸クロルヘキシジン配合のものは、細菌をしっかり除去できます。 ※薬剤アレルギーがある方や苦味が苦手な方は、ノンアルコールタイプも検討を。ただし、殺菌成分が含まれているかを確認しましょう。 ・フロス(矯正用):ワイヤーの下に通せる“スレッダー付き”タイプや“先の細いスーパーフロス”などが便利 |
ワイヤー矯正中の方には、通常のフロスが使いにくいことも。
歯科医院で自分に合ったアイテムを紹介してもらうのも良い方法です。
食生活で気をつけるべきポイント
食べ物にも、口臭に影響を与えるものがあります。
矯正中は以下のような点に注意してみてください。
食生活で気をつけるべきポイント ・糖質が多い間食は細菌のエサになりやすい ・においの強い食品(ニンニク・ネギなど)は要注意 ・食後すぐの歯磨きが難しいときは、うがいや水を飲むだけでも違います ・しっかり噛んで食べることで唾液の分泌が促されます |
口内を乾燥させないよう、水分補給を意識的に行うことも忘れずに。
「全部ちゃんとできるか不安…」という方も、
まずはひとつずつ習慣にすることが大切です。
たとえば
「今週はタフトブラシを取り入れてみる」
「夜だけマウスウォッシュを使う」
など、無理なく続けられる工夫をしながら、少しずつお口の環境を整えていきましょう。
口臭が改善しないときは?受診の目安と注意点

「毎日きちんとケアしているのに、どうしてもにおいが気になる…」
そんなときは、一度歯科医院に相談してみることをおすすめします。
口臭の原因は、セルフケアだけでは取りきれない汚れや、体の中からくるサインが隠れていることもあるからです。
ここでは、どんなときに歯科を受診すべきか、そして受診することでどんなことがわかるのかをご紹介します。
いつ歯科を受診すべきか
次のような症状がある場合は、矯正治療を担当している歯科医院に早めに相談しましょう。
受診の目安 ・ケアを見直しても、口臭が改善しない ・毎日しっかり磨いているのに、においやネバつきが続く ・歯ぐきの腫れや出血が気になる ・矯正装置のまわりに白い汚れや黄ばみがついている |
これらは、プラークや歯石がたまっているサインの可能性があります。
見えにくい場所にトラブルが起きていることもあるため、プロの目でチェックしてもらうことが大切です。
実は病気が原因のことも?
口臭の原因は、お口の中だけとは限りません。
歯周病、虫歯、舌苔だけでなく、胃腸や呼吸器、耳鼻科系の不調が関係していることもあります。
矯正治療中はとくに「装置のせいかも」と思いがちですが、他の原因が隠れている場合もあるため、異常が続く場合は早めに医師へ相談しましょう。
歯科医院での対応内容
歯科医院では、口臭の原因やお口の状態に合わせてさまざまな処置が行われます。
たとえば…
PMTC(プロによる機械的な歯の清掃)
→セルフケアでは取りきれない汚れや歯石を除去
歯石除去・着色落とし
→歯の表面をきれいにして、細菌のすみかを減らす
舌のケアや保湿ジェルの提案
→舌苔や乾燥に対応するケアをアドバイス
さらに、必要があれば内科的な検査や耳鼻科の受診をすすめられることもあります。
「病気じゃなかった」とわかるだけでも、安心につながるでしょう。
まとめ:正しい知識とケアで安心して矯正治療を続けましょう

「このにおい、本当に治るのかな…」「矯正、やめた方がいいのかも」と悩む方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、矯正中の口臭は誰にでも起こりうる自然な変化であり、原因を知って適切にケアすれば、きちんと改善できます。
今回ご紹介したように、
- 矯正装置の種類やお口の状態に合わせたケアをすること
- 歯磨きの道具や方法を見直すこと
- 食生活や生活習慣を整えること
- 困ったときには早めに歯科医院に相談すること
こうした日々の積み重ねが、においの不安を減らし、気持ちよく矯正治療を続けていくことにつながります。
とくに、口臭はご自身では気づきにくいこともあるため、「少しでも気になるかも…」と思ったタイミングでのケアや相談がとても大切です。
矯正治療は、将来の健康な口元と、美しい笑顔をつくるための大切なプロセス。
K.Braces(ケイブレイシーズ)矯正歯科では、そんなお悩みにも寄り添いながら、安心して治療を続けていただけるようサポートしています。
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