【治療前に知っておきたい!】マウスピース矯正の失敗するケース5個紹介
2022.10.14
監修
K Braces矯正歯科原宿駅前
院長 小林聡美 Satomi Kobayashi
- 日本成人矯正歯科学会 認定医
- アメリカアラインテクノロジー社認定 インビザライン専門ドクター
- デンツプライシロナ社認定 SureSmile Advance/Orhto/Aligner 認定クリニック院長
- アラガン社認定 VST:Very Sophisticated Treatment 施注資格ドクター
都内矯正専門クリニック 院長を経て、
平成30年にK Braces矯正歯科原宿駅前院長就任。
発表論文、テレビ出演多数。
平成30年にK Braces矯正歯科原宿駅前院長就任。
発表論文、テレビ出演多数。
【目次】
マウスピース矯正が失敗する原因5個
・歯を後ろに動かす
・抜歯をして歯を並べる
・歯と歯の間に切れ込みを入れる
・奥歯を後に送る
・顎の骨を横に広げる
実際の失敗したケース6個
・歯並びが悪化した
・虫歯・歯周病になった
・歯根が露出した
・効果が薄かった
・かみ合わせが悪化してしまった
・知覚過敏になった
失敗しないために行う5つのポイント
・経験・実績がある先生を選ぶ
・自分の症状や治療法を理解しておく
・装着時間を守る
・手入れをしっかりする
・定期通院をしっかりする
しっかりとカウンセリングしたうえで行うようにしましょう
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正よりも目立たない治療方法です。矯正装置を装着していることが分かりにくいので、マウスピース矯正をしたいという人が増えています。しかし、治療法の選択や治療中の行動によっては、失敗したというケースもあるため注意が必要です。
この記事では、マウスピース矯正で失敗する主な原因、ありがちな失敗のケースなどを解説します。失敗しないためのポイントも紹介するので、矯正治療の成功に向けお役立てください。
マウスピース矯正が失敗する原因5個
マウスピース矯正で失敗する原因はさまざまで、担当した歯科医師にしか本当の原因が分からないことも多いです。しかし矯正が失敗する多くの場合、以下の処置が「行われなかった」か「予定どおりにできなかった」かのいずれかの可能性があります。
・歯を後ろに動かす
・抜歯をして歯を並べる
・歯と歯の間に切れ込みを入れる
・奥歯を後に送る
・顎の骨を横に広げる
上述した処置は、患者にとって心理的なハードルが高いと考えられます。マウスピースを装着するだけで矯正できると思っている人にとっては、医師から提案されて驚いてしまうかもしれません。しかし、いずれの処置も歯をきれいに整列させるために必要です。
また、矯正に必要な処置は口腔内の状態によって変わります。矯正の失敗を避けるためには正しい矯正の知識を身につけ、歯科医師の提案を適切に受け止めることが重要です。
実際の失敗したケース6個
ここでは、実際にマウスピースの矯正が失敗したケースについて原因を併せて紹介します。治療法が合わなかったケースもありますが、矯正中の行動が原因で矯正が失敗したケースもあります。
●歯並びが悪化した
マウスピースで対応できる矯正ばかりではありません。無理にマウスピース矯正をしても歯並びが悪化する場合があります。特に、複数本の抜歯が必要な症例の場合マウスピース矯正のみでは成功が難しくなります。抜歯が多くなると歯を平行移動し、たくさんのスペースを埋める必要があるからです。マウスピース矯正は、歯の平行移動に向いていません。抜歯が必要な矯正にはマウスピース矯正だけではなく、ワイヤー矯正も検討する必要があります。抜歯の本数が多い状態とは、歯が部分的に重なり合う叢生(ガタガタ歯)や上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、上下顎前突(口ゴボ)などです。
●虫歯・歯周病になった
虫歯や歯周病の主な原因は口内環境の悪化です。マウスピースは食事の際に取り外せるため、口内環境はワイヤー矯正と比べると保ちやすい傾向があります。ただし、食後に歯磨きをせずにマウスピースを装着すると、食べカスや汚れが歯の表面に付着したまま放置されてしまいます。飲み物を飲む際にマウスピースを装着したままの人もいるかもしれません。清涼飲料水など栄養分の多い飲み物を摂るとマウスピースに汚れが付着してしまいます。
虫歯や歯周病にならないようにするには、歯磨きに加え、マウスピースの洗浄やお手入れにも気を配る必要があります。
●歯根が露出した
マウスピース矯正後に、歯茎が下がって歯根が露出してしまったというケースがあります。歯根が露出する主な原因は不適切なマウスピース矯正による歯周組織への負担です。誤った治療計画による不適切な負担がかかると、歯の周りにある歯槽骨の縮みによって歯肉が下がってしまうことがあります。前歯の矯正をするときは、ブラックトライアングルという三角形状のすき間に注意しましょう。前歯が重なっていると矯正前から歯の根元に隙間があっても分かりにくいです。矯正後に歯並びが整って、ようやくブラックトライアングルに気付くことも少なくありません。
●効果が薄かった
矯正治療が終わったら、保定装置(リテーナー)の着用が必要です。保定装置の使用方法を間違えると矯正の効果が薄れる場合があります。保定装置を使用する目的は歯と周辺組織の安定です。したがって、保定装置を使わないとせっかく矯正した歯が徐々に元に戻ってしまいます。保定期間は保定装置を必ず着用し、きれいな歯並びを定着させましょう。また、矯正の途中で虫歯や歯周病になってしまったり、1日20時間以上のマウスピースの装着時間を守らなかったりした場合にも矯正の効果は薄れます。
マウスピースは装着するだけでなく、装着する順番を守ることも大切です。マウスピース矯正では形状が微妙に異なるマウスピースをたくさん用意し、歯の移動とともに順番に付け替えます。順番を間違えてしまうと歯に大きな負担がかかりスムーズな矯正ができません。
●かみ合わせが悪化してしまった
治療計画やマウスピースに問題があると歯並びは良くなってもかみ合わせが悪化してしまう可能性があります。特に、部分的な矯正よりも全体矯正が望まれる場合は、余分な歯を抜く、歯を削るなどの処置を行い無理なく矯正できるスペースの確保が必要です。スペースを確保しないままマウスピース矯正を開始すると、足りないスペースに無理やり歯を並べることになります。結果、全体的に歯が前に飛び出し、出っ歯や受け口のようになってしまいます。
●知覚過敏になった
間違った治療計画や術式によるマウスピース矯正では、歯の表面を削る際に知覚過敏を発症するケースがあります。無計画に象牙質の付近まで歯を削ってしまうと痛みを感じやすくなります。知覚過敏とは、虫歯や歯周病の症状がないのに歯ブラシの毛先や冷たい食べもの、甘いものや酸味が強いものが歯にしみる状態です。なお、知覚過敏は歯への刺激がなければ、痛みを感じません。ずっと痛みが続くわけではない点は虫歯とは異なります。
一般的な知覚過敏の原因は、象牙質の露出です。加齢などで歯肉が下がってくると、象牙質が露出しやすくなり痛みを感じるようになります。象牙質には神経につながる象牙細管が通っており、飲食物が象牙細管に触れると痛みを感じてしまうのです。
失敗しないために行う5つのポイント
腕の確かな病院や歯科医師を選んだり、自分でも治療法を勉強したりすればマウスピース矯正の失敗をしにくくなります。ここでは、マウスピース矯正の失敗を避ける5つのポイントを解説します。
●経験・実績がある先生を選ぶ
マウスピース矯正での失敗を避けるには、歯科医師の高度な知識と技術が不可欠です。もし、治療方法に納得がいかないなど気になる点があれば、他の歯科医師も検討するべきです。マウスピース矯正は、専門外の歯科医師でも治療できると考えられやすい傾向があります。歯科医師本人も実力不足に気が付かないまま治療しているケースが少なくありません。そのため、治療を受ける前に信頼できる矯正専門の歯科医師を選ぶ必要があります。
マウスピース矯正が簡単であると勘違いされやすい理由には、ワイヤーを歯に固定する必要がない、便利なシミュレーションソフトが普及している、などが考えられます。しかし、歯科医師が治療方針を間違えると矯正に失敗してしまうため、経験や実績がある歯科医を選ぶことが大切です。
●自分の症状や治療法を理解しておく
上述したように、矯正を成功させるには信頼できる歯科医師や歯科医院、適切な治療を見極める必要があります。正しい判断ができるように、自分の症状や矯正に関する知識を持っておくことが大切です。矯正に関わる知識があれば、カウンセリングで歯科医師の話を聞いたり、質問をしたりして歯科医師の腕前を予想することが可能です。
一方、矯正治療の知識がないと、歯科医師の提案をそのまま受け入れてしまいかねません。例えば、歯を抜いたり削ったりせずにマウスピースのみで矯正できると聞くと、簡単に矯正できそうに感じられるでしょう。かみ合わせの悪化などのリスクに気付かず、問題のある治療方針でも承諾し兼ねないため注意が必要です。
●装着時間を守る
マウスピース矯正では、1日22時間以上マウスピースを装着し、継続的に歯に力を加えて歯列を整えていきます。装着時間が不足していると、矯正が予定どおりに進みません。マウスピースは簡単に取り外せるものですが、食事の際に外したまま装着を忘れたり、装着し忘れたまま外出してしまったりといった問題が発生しがちです。意識して装着時間を守り、スムーズに矯正を進めることが大切です。
●手入れをしっかりする
しっかり食後の歯磨きをしても、マウスピース自体の洗浄やクリーニングなどを怠ると細菌が発生して口内環境の悪化につながります。マウスピースに汚れやカビが付着したり、口臭や虫歯、歯周病の原因となったりするため注意しましょう。虫歯や歯周病が発生すると、いったんマウスピース矯正を中断せざるを得ないこともあります。また、歯磨き粉には研磨剤が入っているため、材質によってはマウスピースが傷むことがあります。お湯は使用しない、歯磨き粉は使わないなど必ず指定された方法で手入れをしましょう。
●定期通院をしっかりする
矯正の失敗を防ぐために、定期通院は欠かさないようにしてください。矯正中に定期的に通院する目的は、口内に異常が発生していないか、シミュレーションどおりに矯正が進んでいるかなどを確認するためです。決められたタイミングで通院しなければ異常事態に早く気がつけず修正が困難になります。また、定期通院に限らず、違和感や痛みに慣れないときも歯科医師に相談してください。マウスピースが合っていない、虫歯や歯周病が発生しているなどの可能性があるためです。
しっかりとカウンセリングしたうえで行うようにしましょう
マウスピース矯正を希望する人が増えています。しかし、適切な処置が行われなければ、歯並びの悪化や虫歯・歯周病の発生、知覚過敏などの恐れがあります。失敗を避けるには、しっかりとカウンセリングを受け、納得できる病院や歯科医師を選びましょう。矯正について自分で勉強する姿勢も大切です。K Braces矯正歯科原宿駅前では、丁寧なカウンセリングを基にマウスピース矯正(シュアスマイルアライナー:デンツプライシロナ)の治療方針を決定します。治療オプションをいくつかご提案するので、歯並びの気になる点、疑問に感じた点などをお気軽にご質問ください。マウスピース矯正をご検討の際は、ぜひ、当院にご相談ください。
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