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症例:歯肉退縮を伴う重度の叢生(ガタガタ歯)の症例

2020.07.28
監修
K Braces矯正歯科原宿駅前
院長 小林聡美 Satomi Kobayashi
  • 日本成人矯正歯科学会 認定医
  • アメリカアラインテクノロジー社認定 インビザライン専門ドクター
  • デンツプライシロナ社認定 SureSmile Advance/Orhto/Aligner 認定クリニック院長
  • アラガン社認定 VST:Very Sophisticated Treatment 施注資格ドクター
都内矯正専門クリニック 院長を経て、
平成30年にK Braces矯正歯科原宿駅前院長就任。
発表論文、テレビ出演多数。
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【目次】

八重歯とガタガタ歯の改善をご希望

ガタガタ歯が原因の歯肉退縮も

患者様へのご説明、治療プランの決定

ガタガタ歯、八重歯と歯肉退縮の改善

参考文献(サイト)



みなさまこんにちは!K Braces矯正歯科原宿駅前 院長の小林聡美です。
今回は歯肉退縮を伴った症例のご紹介をさせていただきます。

八重歯とガタガタ歯の改善をご希望

30歳女性です。八重歯(犬歯の低位唇側転位)とガタガタ歯(叢生:歯の凸凹)の改善をご希望され来院されました。

▼お口の中の写真です。

上顎右側の犬歯が重度の八重歯になっています。また上下に重度のガタガタ歯(叢生)が認められます。

▼赤い丸のところをご覧ください。

下顎の前歯の歯肉が下がって歯の根っこ(歯根)が露出しているのかお分かりいただけると思います。

この状態を歯肉退縮といいます。
 

ガタガタ歯が原因の歯肉退縮も

 

歯肉退縮とは

歯肉退縮の原因は様々ですが、この患者さまの場合は

1.不揃い(ガタガタ歯)な上下の前歯が咬み合わせ時に強く当たる
2.それにより下顎の前歯に強い力が掛かる

その結果骨がもろくなってこのような症状が現れたと考えられます。
このような害のある咬み合わせを“咬合性外傷”といって、重度のガタガタ歯を持つ患者さまに見られることがあります。
ですのでこのケースでは歯肉退縮の改善も考慮した治療プランにする必要がありました。
 

患者様へのご説明、治療プランの決定


無料カウンセリングから診断を経て、患者様とリスクや副作用などについてのお話を入念に行い、ご納得を頂けました。
こちらのご説明内容はとても重要な情報ですのでいつも掲載しています。お読みの方はぜひチェックしておいてください。
診断 上顎右側犬歯の低位唇側転位、上下顎重度の叢生、下顎前歯の歯肉退縮
治療法 上下顎左右第一小臼歯の抜歯、表側の矯正装置による治療
治療期間 2年(通院回数24回)
治療費 表側全体矯正 ¥990,000-
抜歯4本 ¥44,000-
精密検査 ¥55,000-
※すべて税込表記です
リスク 治療中の虫歯の可能性、上前歯部の歯根吸収、歯肉退縮が改善できない可能性
副作用 治療中の矯正装置による口内炎、治療後の抜歯部位の後戻り
※治療費は2020年7月現在の金額です。
 

ガタガタ歯、八重歯と歯肉退縮の改善

歯肉退縮が改善しました

歯肉退縮については下顎前歯の位置を適切に調整し、歯肉退縮が改善されるように治療計画を考えました。
一般的に重度の歯肉退縮を矯正治療のみで改善することは困難なのですが、3Dモデルを用いて歯、歯根、骨の位置関係を正確に把握し、最適な治療法を見つけ出すことで、歯肉退縮を改善させることができました。
 

ガタガタ歯、八重歯が改善しました

このまま歯を並べるには口腔内のスペースが足りないので、上下顎の小臼歯を2本抜歯して治療を開始しました。

▼治療後の写真がこちらです。

 

治療期間は2年でした。

抜歯とその後の凸凹の改善:10ヶ月
抜歯したスペースの閉鎖:10ヶ月
最終的な咬み合せと配列の調整:4ヶ月
 
八重歯およびガタガタ歯が改善され、とても綺麗な歯並びになりました。
また、下顎前歯の重度の歯肉退縮も十分改善することができ、大変満足していただくことができました。
 

参考文献(サイト)

歯肉退縮の治療は、外科的な対応が必要となる場合が多いです。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4149153/
歯肉退縮が改善した治療例の症例報告です。
https://ci.nii.ac.jp/naid/110000051309
 


適切な診断と治療方針を基にした矯正治療を行うことで、比較的短い治療期間でとても効果的な治療が行えることをお分かりいただけたと思います。
今後も、皆様の参考になるような術前術後の症例をご紹介をして参ります。

 
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

① 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
② 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や療期間に影響します。
④ 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
⑩ 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
⑫ 矯正装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
⑮ 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
⑯ あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
⑱ 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
 

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