臨床歯科麻酔認定歯科衛生士認定講習・認定試験に参加しました
2021.09.28
監修
K Braces矯正歯科原宿駅前
院長 小林聡美 Satomi Kobayashi
- 日本成人矯正歯科学会 認定医
- アメリカアラインテクノロジー社認定 インビザライン専門ドクター
- デンツプライシロナ社認定 SureSmile Advance/Orhto/Aligner 認定クリニック院長
- アラガン社認定 VST:Very Sophisticated Treatment 施注資格ドクター
都内矯正専門クリニック 院長を経て、
平成30年にK Braces矯正歯科原宿駅前院長就任。
発表論文、テレビ出演多数。
平成30年にK Braces矯正歯科原宿駅前院長就任。
発表論文、テレビ出演多数。
今回は私の監修のもと、歯科衛生士の大野が書いたコラムを紹介いたします。
【目次】
歯科麻酔は歯科医師だけがするものではありません
午前中は法律と局所麻酔の知識と偶発症を学びます
午後は麻酔とCPRなどの実技をみっちりと!
患者さまの命を救うためのCPR
ハイムリック法と背部叩打法を体験
自分が本当にできるか、を改めて考える機会になりました。
患者さまのために歯科衛生士としてより向上していきたいです
みなさん、こんにちは。K Braces矯正歯科原宿駅前 歯科衛生士の大野です。
先日、臨床歯科麻酔管理指導医・臨床歯科麻酔認定歯科衛生士認定講習・認定試験に行ってきました。歯科麻酔は歯科医師だけがするものではありません
突然ですが、皆さんは歯科麻酔というのは歯科医師がするものだと思っていませんか?私も今まで歯科麻酔は歯科医師がするものだという固定概念に囚われ、あまり麻酔について深く知ろうとせずに決めつけていました。
しかし、この講習で法的根拠に基づいて歯科衛生士は知識や能力、技術があれば歯科医師の指示のもとで歯科麻酔をすることが可能だということを学びました。
今日はこの講習で私が学んできたことを皆さんにお伝えさせていただきます。
午前中は法律と局所麻酔の知識と偶発症を学びます
午前中は●歯科医師法と歯科衛生士法
●麻酔をかけたときに診療中に起こりうる偶発症とその対応
●局所麻酔に必要な知識と技術
歯科麻酔における偶発症には以下のものがあります。
神経性ショック/過換気症候群/局所麻酔薬中毒/局所麻酔薬アレルギー
また一般的な歯科医療の偶発症として誤嚥(ごえん)があります。
法的に基づいた内容をわかりやすく講義してくださり、麻酔に関しては一から学ぶ私でも理解ができ、楽しく学ぶことができました。
特に歯科医師法と歯科衛生士法は、今まであまり詳しく知る機会がありませんでした。
なんとなく歯科衛生士ができることはここまでだろうと自分なりに決めてしまっていたので、これからは法的に基づいたEBM(根拠に基づいた医療)を行なっていきたいと思いました。
▼こちらの写真は左が私、その隣が小林院長、そして右が歯科医師法と歯科衛生士法を
わかりやすく講義して下さった日本歯科医学振興機講代表理事の坂元先生です。
午後は麻酔とCPRなどの実技をみっちりと!
午後からは実習です。麻酔をかける実習と、CPR(心肺蘇生法)の実習を行いました。
普段麻酔のアシスタントをしていても、実際に行うと全然違う!
▼こちらは実際にファントムを使っての麻酔の実習の様子です。
※ファントムとは、このような実技の時に患者さまの代わりとして使うシミュレーターです。
麻酔の注入部位やレストの置き方などを実際に先生に教えて貰いながら行いました。
今まではアシスタント側から何度も見てきた光景なのに、術者側になると
●どの位置から入れると安全か
●どのように入れると患者さんの痛みが軽減できるか
●麻酔を入れるスピードは
など、初めて考えることなどがたくさんありとてもいい経験になりました。
患者さまの命を救うためのCPR
▼こちらはCPRの実習を行なっている写真です。倒れている方を発見した場合に行う手順だったり、胸骨圧迫やAEDを実際に使用して行いました。
胸骨圧迫は患者さんの胸が5〜6cm沈むくらいまで行わなければいけないのですが、いざ行なってみると私が思っているより遥かに力が必要で、女性の場合は体全体を使わないとできないと感じました。
ハイムリック法と背部叩打法を体験
次に窒息してしまった時に異物を取り出すための対処法を学びました。対処法は主に
ハイムリック法(患者さんの臍あたりを押し異物を吐き出させる方法)
背部叩打法(背中を叩き異物を吐き出させる方法)
この二つがあり、どちらも実際に体験してきました。
◆ハイムリック法は患者さまが横になっていると、とても力が必要
ハイムリック法は患者さまが起き上がっている状態ですと、私が思っている以上に力が必要でした。全身を使ってもなかなか異物が吐き出させれないことが多く、女性だと大変かもしれないと感じました。
でも患者さんが横になっている場合は簡単に吐き出させることができました。
◆「こんなに叩いていいの!?」な背部叩打法
背部叩打法(はいぶこうだほう)は、授業で習ったことはあったのですが、実際には初めて行いました。「こんなに叩いてもいいのか!?」ってくらい思いっきり叩かないと異物が出てこないことを体感し、知っているとやったことあるでは大きな違いがあることを実感しました。
自分が本当にできるか、を改めて考える機会になりました。
CPRの実習を通して改めて、もし診療中に患者さんに何かあった時に正しい行動ができるか、それに対応する知識があるのかということを考えさせられました。この実習に参加する前の私だったら、もし患者さんがいきなり倒れてしまって心肺蘇生が必要でも、きっと見様見真似の胸骨圧迫だったり、AEDを貼るのにも「これで大丈夫かな?」と不安で、もたついてしまい、まったく正しい行動がとれなかったと思います。
患者さんが窒息してしまった場合も、きっとハイムリック法もうまくできずプロレス技をかけているみたいになっていたでしょうし、背部叩打法も遠慮がちに背中を叩いてしまい何の意味もない行為をしていたでしょう。
今までその場面に出会わなかっただけで、私たちが行なっている医療行為はいつ何があるかわからない、もし起こってしまった時に自信をもって正しい行動ができるように、この日だけでなく引き続き勉強していきたいと思いました。
患者さまのために歯科衛生士としてより向上していきたいです
最後に今回の講習を通して、私はしっかりと知識や能力、技術があれば歯科衛生士は歯科医師の指示のもと診療補助として歯科麻酔をすることができると解釈しました。歯科衛生士という仕事は自分の技術、能力、知識次第でもっとたくさんの可能性があることを学び、より一層歯科衛生士として患者さまのためにできることを増やしていきたいと感じました。
今後はより一層患者さまに寄り添い、安心してご来院いただけるように自分の技術、能力、知識を日々研鑽していきたいと思います。