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症例:口元が出ている方(口元突出)の矯正治療例

2019.01.21
監修
K Braces矯正歯科原宿駅前
院長 小林聡美 Satomi Kobayashi
  • 日本成人矯正歯科学会 認定医
  • アメリカアラインテクノロジー社認定 インビザライン専門ドクター
  • デンツプライシロナ社認定 SureSmile Advance/Orhto/Aligner 認定クリニック院長
  • アラガン社認定 VST:Very Sophisticated Treatment 施注資格ドクター
都内矯正専門クリニック 院長を経て、
平成30年にK Braces矯正歯科原宿駅前院長就任。
発表論文、テレビ出演多数。
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みなさまこんにちは。K Braces矯正歯科原宿駅前 院長の小林 聡美です。
今回は、口元が出ていることが気になる方の矯正治療の効果についてお話したいと思います。
 

口ゴボ、出っ歯で口元が出ている方も横顔がすっきりします

上の前歯と下の前歯の両方が唇側に出ているために、口元全体が出た感じ、口元突出感がある(上下顎前突といいます)のを治療したいという方は多いと思います。 いわゆる「口ゴボ」と言われる状態でもあり、出っ歯を伴うことも少なくなく、最近ご相談も増えております。 この場合は、前から4番目の歯(第一小臼歯といいます)を抜いて、抜いた隙間を使って前歯を下げます。 そうすると、口元も後ろに下がり、すっきりした横顔を獲得することができます。 私が実際に治療した症例を見て頂きながらご説明いたしますね。 金属アレルギーをお持ちの患者さまでしたので、ブラケット(矯正装置)やワイヤーの素材も工夫しています。 ※今回の患者様の事例です。実際の治療は個人差がありますのであくまで参考とお考えください。
 

口ゴボ、出っ歯、口元突出(上下顎前突)の実際の矯正治療例

口ゴボ、出っ歯の治療前の状態です

今回は、こちらの患者様を例に説明いたします。

この方は、出っ歯および口ゴボ、つまり口元突出感(上下顎前突)の改善をご希望され来院されました。

 

歯並びはこのような状態でした。


患者様へのご説明、治療プランの決定

まずは無料カウンセリングにて、治療方法や、矯正治療に関する副作用およびリスク等の説明(インフォームドコンセント)をしっかりと行いました。

以下が概要となりますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。
診断 上下顎前歯の唇側傾斜(歯槽性の上下顎前突)
治療法 上下左右第一小臼歯の抜歯、表側の矯正装置による治療
治療期間 1年8ヶ月
リスク 治療中の虫歯の可能性、上下前歯部の歯根吸収
副作用 治療中の矯正装置による口内炎、治療後の抜歯部位の後戻り

そして、患者様とのお話し合いの結果、

抜歯あり(上下左右の第一小臼歯)
表側矯正

での治療を行いました。
金属アレルギーのため、特殊なブラケットを使用しました。
 

実は金属アレルギーをお持ちの患者さまは少なくなく、この患者さまも金属アレルギーをお持ちでした。 金属アレルギーはニッケルという元素に対して反応が出てしまうことが多いので、ニッケルを含まない素材として

矯正装置(ブラケット)はセラミックと純チタン製のものの組み合わせを選択
ワイヤーはベータチタンというニッケルを含まない素材を使用

これらを使用することで、アレルギー症状が出ることがなく、良好な結果を得ることができました。
 

治療後は口ゴボと出っ歯が改善、こんなに変わりました!

そしてこちらが治療後の患者様の横顔の写真です。
 
口元の突出感、口ゴボと出っ歯が改善され、とてもすっきりとした横顔になりました。
また前歯を後ろに下げたことで、口が閉じやすくなり、アゴの部分の形状(オトガイ部といいます)も改善されています。
歯並びはこのようにとても整然となりました。
 

大まかな治療期間のご説明

治療期間は1年8ヶ月でした。そのおよその内訳は以下となります。

抜歯とその後の凸凹の改善:3ヶ月
抜歯したスペースの閉鎖:1年
最終的な咬み合せと配列の調整:5ヶ月

適切な診断と治療方針を基にした矯正治療を行うことで、効果的に口元の改善が行えることがお分かりいただけたと思います。
 

  今後も、皆様の参考になるような術前術後の症例をご紹介をして参ります。  
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

① 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
② 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や療期間に影響します。
④ 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
⑩ 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
⑫ 矯正装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
⑮ 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
⑯ あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
⑱ 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
 

参考資料

金属アレルギー
https://www.jstage.jst.go.jp/article/dokyo/30/1/30_KJ00007361093/_article/-char/ja/

 

口ゴボ
http://www.jos.gr.jp/information/file/guideline.pdf
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0889540608000097
https://www.jstage.jst.go.jp/article/dokyo/31/1/31_KJ00007361178/_article/-char/ja/

 

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