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重度の歯肉退縮を伴う「すきっ歯」(空隙歯列)の治療例

2020.09.28
監修
K Braces矯正歯科原宿駅前
院長 小林聡美 Satomi Kobayashi
  • アメリカアラインテクノロジー社認定 インビザライン専門ドクター
  • デンツプライシロナ社認定 SureSmile Advance/Orhto/Aligner 認定クリニック院長
  • アラガン社認定 VST:Very Sophisticated Treatment 施注資格ドクター
都内矯正専門クリニック 院長を経て、
平成30年にK Braces矯正歯科原宿駅前院長就任。
発表論文、テレビ出演多数。
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【目次】
重度なすきっ歯と歯肉退縮

歯列の乱れで口腔内の状態が悪化

3Dモデルでお口のなかの状態の詳細を把握する

患者様へのご説明、治療プランの決定

最新機器による精密で慎重な治療を行いました

すきっ歯や歯肉退縮などほとんどの症状が改善

治療期間は1年でした

参考文献(サイト)



みなさまこんにちは!K Braces矯正歯科原宿駅前 院長の小林聡美です。
今回は重度の歯肉退縮を伴った「すきっ歯」の患者さまの治療例をご紹介します。
すきっ歯以外に様々な症状がありました。

すきっ歯(空隙歯列弓)※特に正中離開
上下の出っ歯
過蓋咬合
歯肉退縮

 
多くの症状が重いもので、大変難しい治療となりました。
※こちらの記事は今回の患者様の事例です。実際の治療は個人差がありますのであくまで参考とお考えください。
 

重度なすきっ歯と歯肉退縮

すきっ歯は正中離開も発症

この患者さまは、歯と歯の間に隙間がある空隙歯列という症状をお持ちです。

▼初診の口腔内写真です。

また、上顎の一番前の歯(中切歯といいます)の間に隙間もあり、ことを特別に正中離開(せいちゅうりかい)と呼びます。
 

歯肉退縮は歯が抜けてしまう危険もありました

▼こちらの写真をご覧ください。

ご覧のように下顎前歯部に重度の歯肉退縮が認められます。
このまま放置すれば、歯自体が脱落してしまう恐れもある状態です。
 

歯列の乱れで口腔内の状態が悪化

この歯肉退縮の原因はおそらく咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)と思わます。
上顎の前歯と強くかみ合うことで必要以上に大きな力が下顎前歯に集中し、歯槽骨が吸収してしまったと考えられます。
歯並びが悪いので咬み合わせがうまくいかないとこのように様々な問題が起きてしまうことがあります。
そういう意味でも矯正治療を検討いただければと思います。
通常、ここまでの退縮が生じてしまうと症状の改善はかなり難しいのですが、できる限りの対応を行うこととなりました。
 

3Dモデルでお口のなかの状態の詳細を把握する  

▼この患者さまの3Dモデルです。

歯肉退縮を生じた歯は、歯根が歯槽骨から露出していることが良くお分かりいただけると思います。

次に、この歯根の位置を修正し、歯槽骨内に移動させながら矯正治療を行う計画を立てました。
▼治療計画を基にした3Dシミュレーションです。

 

患者様へのご説明、治療プランの決定

このように、各問題点を解消しながら下顎の歯根の位置を修正し、歯槽骨の内部に収まるような治療計画を立案し、治療を開始しました。
診断 正中離開、過蓋咬合、上下顎重度の空隙歯列弓、下顎左側中切歯の重度の歯肉退縮
治療法 非抜歯、裏側の矯正装置による治療
治療期間 1年(通院回数12回)
治療費 裏側全体矯正 ¥1,210,000-
精密検査 ¥55,000-
※すべて税込表記です
リスク 治療中の虫歯の可能性、上前歯部の歯根吸収、歯肉退縮が改善できない可能性
副作用 治療中の矯正装置による口内炎、歯根吸収
 

最新機器による精密で慎重な治療を行いました

今回の治療では歯、歯根、骨の、それぞれの位置関係を正確に把握することが何より重要でした。
そしてそれを把握したのちに最適な治療法を見つけ出し、治療の都度状態を把握しながら慎重に進めていくことが必要です。
これは3Dデジタル矯正によるシミュレーションがなければできません。
 

すきっ歯や歯肉退縮などほとんどの症状が改善

空隙歯列弓、上下の出っ歯、過蓋咬合が改善されとても綺麗な歯並びになりました。


また短期間で下顎前歯の重度の歯肉退縮も十分改善することができ、大変満足していただくことが出来ました。

 

治療期間は1年でした

これだけの重度な症状でしたが、約1年で治療を終えることができました。
 
凸凹の改善:2ヶ月
スペースの閉鎖:8ヶ月
最終的な咬み合せと配列の調整:2ヶ月

 


デジタル矯正における3Dシミュレーションを用いることで適切な診断と治療方針を基にした矯正治療を行うことができ、短い治療期間でとても効果的な治療が行えることをお分かりいただけたと思います。
今後も、皆様の参考になるような術前術後の症例をご紹介をして参ります。
 

参考文献(サイト)

下記は類似の治療例です。
成長期の咬合性外傷により生じた歯肉退縮の治療例
上記の症例と比較しても、今コラムでの症例は困難な治療といえます。
 

 

 
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

① 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
② 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や療期間に影響します。
④ 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
⑩ 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
⑫ 矯正装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
⑮ 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
⑯ あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
⑱ 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
 

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