【歯並びが悪い人必見】7パターンの症状別原因と起こる症状を専門家が解説
2022.07.26
監修
K Braces矯正歯科原宿駅前
院長 小林聡美 Satomi Kobayashi
- 日本成人矯正歯科学会 認定医
- アメリカアラインテクノロジー社認定 インビザライン専門ドクター
- デンツプライシロナ社認定 SureSmile Advance/Orhto/Aligner 認定クリニック院長
- アラガン社認定 VST:Very Sophisticated Treatment 施注資格ドクター
都内矯正専門クリニック 院長を経て、
平成30年にK Braces矯正歯科原宿駅前院長就任。
発表論文、テレビ出演多数。
平成30年にK Braces矯正歯科原宿駅前院長就任。
発表論文、テレビ出演多数。
【目次】
歯並びが悪いと悪影響がある?症状別原因と影響
・出っ歯
・すきっぱ
・叢生(そうせい)
・過蓋咬合(かがいこうごう)
・開咬(かいこう)
・交叉咬合(こうさこうごう)
・受け口
悪化を防ぐ方法
歯並びの矯正の種類
・ワイヤー矯正
・シュアスマイル・アライナー/インビザライン矯正
まとめ
歯並びは、人の第一印象を左右する大切な要素の1つです。歯並びの悪さがコンプレックスで、精神的なストレスを抱えて悩んでいる人は少なくありません。また歯並びが悪いと、食べ物の咀嚼や消化がしづらい、虫歯や歯周病を発症しやすいなどのデメリットがあります。
いわゆる「悪い歯並び」は、大きく分けて7種類。それぞれ何が原因なのか・放置してもいいのか・どうやって治療するのかが異なります。この記事では、各症状別の原因や具体的な影響などを詳しく解説します。疑問点を解消したい方はぜひご一読ください。
歯並びが悪いと悪影響がある?症状別原因と影響
「歯並びが悪い」といわれる症状は大きく分けて7種類あります。● 出っ歯(口ゴボ):上側の前歯が下側の前歯よりも極度に突き出ている状態
● すきっぱ:歯と歯の間に広い隙間が生じている状態
● 叢生(そうせい):歯同士が重なり合ってデコボコしている状態
● 過蓋咬合(かがいこうごう):上の歯が下の歯に深く被さって隠している状態
● 開咬(かいこう):歯を噛み合わせた際に上の前歯と下の前歯が接触せず、隙間ができる状態
● 交叉咬合(こうさこうごう):歯を噛み合わせた際に交叉が生じ、下の歯が外側に出て上の歯に被さっている状態
● 受け口:下顎が前に突き出ているため、上の歯よりも下の歯が前に出てかみ合わさっている状態
それぞれのより詳しい症状や影響、具体的な原因を解説します。
▶出っ歯(口ゴボ)
出っ歯は別名「口ゴボ」「上顎前突」ともいい、上側の前歯が他の歯よりもかなり前に突き出ている状態を指します。外見的にも口元が突出した印象を与えるため、初対面の人にも目に付きやすい特徴です。出っ歯の人は口を閉じづらいため、口呼吸をする傾向があります。口の中が乾燥しがちのため唾液が不足して細菌が増殖しやすく、虫歯や歯周病の原因となります。外見上のコンプレックスが心理的なストレスを及ぼす恐れもあります。
主な出っ歯の原因は、遺伝的な影響に加え、口呼吸・指しゃぶり・舌を前に突き出す癖など、後天的な影響があります。
上下の歯がどちらも前に出ている状態を上下顎前突と言い、こちらも口ゴボの原因の代表的なものとなります。
▶すきっぱ
すきっぱは隣り合う歯と歯の間が通常よりも空いている状態を指し、正式名称は「空隙歯列」や「正中離開」などです。すきっぱがあると、虫歯や歯周病の原因になることがあります。また食物をうまく噛み切れない・すきっぱから空気が漏れてうまく発音ができないなど、さまざまな悪影響が考えられます。
すきっぱの原因は大きく分けて先天的・後天的原因の2種類。先天的な原因は、歯の本数が少ない・通常よりも顎のサイズが大きく歯間が広い・元から歯のサイズが小さく歯間が目立つといったものです。後天的な原因は、幼少期の指しゃぶりや歯周病の進行など。虫歯で歯を抜いたあと、徐々に歯が動いて隙間が広がってしまうこともあります。
▶叢生
叢生(そうせい)は別名「乱杭歯」とも呼ばれ、歯同士が重なり合ってデコボコしている状態を指します。叢生で重なり合っている部分に物が詰まると歯ブラシでは十分取り除けません。歯の間に詰まった食物残渣(食渣:食べカスの事)は口臭や虫歯、歯周病の原因の一つです。また叢生は食べ物の咀嚼や消化にも支障をきたす可能性もあります。歯並びの悪さがコンプレックスで心理的なストレスを抱える人も少なくありません。
叢生の主な原因は、顎のサイズが通常より小さい・特定の歯のサイズが通常より大きいといった、遺伝的な影響が大きいとされます。また、乳歯から永久歯への生え替わりがうまくいかないと、叢生になることもあります。
▶過蓋咬合
過蓋咬合とは、上下の歯を噛み合わせる際、上の歯が下の歯に深く被さりすぎて、下の歯がほぼ隠れてしまう状態です。過蓋咬合の放置は、歯に余計な負担がかかって歯そのものや被せ物の欠損、破損を招く恐れがあります。また、年月の経過とともに下の歯がより上の歯の歯茎に強く食い込んで出っ歯が進行する可能性もあります。比較的高頻度に顎関節症を発症する可能性も論文で報告されていますので、まずは診察を受けるのがおすすめです。
過蓋咬合は、上下のあごの骨の形やサイズに不調和があるなどの遺伝的な原因が主です。また幼少期の口呼吸・舌の動きの癖・食べ物の飲み込みの異常といった後天的な原因もあります。
▶開咬
開咬(かいこう)とは、歯を噛み合わせた際に上の前歯と下の前歯が接触せず、隙間ができる状態を指します。ひどい場合は奥歯のみが接触します。別名「オープンバイト」とも言われます。外見的には気付かれにくい症状です。前歯が接触しないのでうまく食べ物を噛み切れない、飲み込みづらい、口呼吸をする、咀嚼の際にクチャクチャと音がする、サ行やタ行など一部の発音に支障をきたすなどの弊害があります。
開咬を発症する原因は、遺伝的な顎の骨の異常が挙げられます。また幼少期の指しゃぶり・口呼吸といった癖も、後天的に歯並びが悪くなる原因です。
▶交叉咬合
交叉咬合(こうさこうごう)とは、歯を噛み合わせた際に交叉が生じ、上の歯よりも下の歯が外側に出て被さっている状態です。別名「クロスバイト」とも呼ばれ、重度の場合は顔に歪み(顔面非対称と言います)が生じます。成長期に交叉咬合が生じると、顎が正常に成長しない恐れがあります。顎関節症の原因にもなるので、気になる場合は信頼できる医院に相談に行きましょう。
交叉咬合の原因は、遺伝的な影響に加え、乳歯から永久歯へと生え変わる位置が悪い・頬杖をつく癖・幼少期のおしゃぶりの長期使用・指しゃぶり・口呼吸など、後天的な理由も挙げられます。
▶受け口
受け口は「反対咬合」「下顎前突」とも呼ばれ、上顎より下顎が前に突き出て、上の歯よりも下の歯が前に出てかみ合わさっている状態を指します。外見的には、顎が突き出てしゃくれているように見えるのが特徴です。受け口を放置しておくと歯全体に過度な負担がかかり、顎の歪みがひどくなります。また、歯肉の衰えや歯の破損のほか、虫歯や歯周病を誘発することも。外見的な面でコンプレックスにもなりやすく、時間が経つほど治療は困難になります。
受け口を発症する原因は、歯が生える位置や傾斜の異常・口呼吸・指しゃぶりといった後天的な理由に加え、下顎が大きい、上顎が通常より小さいといった遺伝的な影響が考えられます。
悪化を防ぐ方法
歯並びの症状が重度の場合は、放置しておくと危険な場合もあるので、なるべく早めに治療する必要があります。悪い歯並びは矯正治療で改善するしか方法がありませんが、以下の項目に気を付けて生活することで、矯正治療時に良い効果がきたいできます。
また、歯磨きが十分ではないと虫歯や歯周病を誘発し、歯並びが悪化する恐れがあります。毎日朝昼夜の3回以上歯磨きを行う習慣を付けてみましょう。
生活習慣の他に、普段からの癖が原因となって歯並びが悪化する場合があります。幼少期からの指しゃぶりや、舌を前歯に当てて押す癖、頬杖をつく癖などは、知らないうちに歯に無駄な力を与えています。
睡眠時の姿勢や習慣にも気を付ける必要があります。いつも同じ側を下にして眠ったり、うつ伏せ寝の癖がついていたりすると歯に負担がかかる他、口呼吸をしがちです。ストレスで眠りが浅いと歯ぎしりをして歯に無駄な力がかかるので、睡眠そのものを見直すことも重要です。
また、普段から噛み合わせが適切かどうかを確認する習慣も付けましょう。先述の通り、噛み合わせが悪いと食事や発音に支障をきたし、健康や精神面にも悪影響を及ぼします。