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症例:重度の口ゴボ(歯槽性の上下顎前突と口唇閉鎖不全)の矯正治療例

2019.08.19
監修
K Braces矯正歯科原宿駅前
院長 小林聡美 Satomi Kobayashi
  • 日本成人矯正歯科学会 認定医
  • アメリカアラインテクノロジー社認定 インビザライン専門ドクター
  • デンツプライシロナ社認定 SureSmile Advance/Orhto/Aligner 認定クリニック院長
  • アラガン社認定 VST:Very Sophisticated Treatment 施注資格ドクター
都内矯正専門クリニック 院長を経て、
平成30年にK Braces矯正歯科原宿駅前院長就任。
発表論文、テレビ出演多数。
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【目次】

いわゆる「口ゴボ」がこちらに該当します

「顎なし」の状態で「梅干しジワ」の出現

患者様へのご説明、治療プランの決定

抜歯を行い矯正用インプラント(アンカースクリュー)を使用した治療

口ゴボ、梅干しジワ、「顎なし」の改善

アンカースクリューがもたらした大きな治療効果

3年未満の治療期間で改善しました


参考資料



こんにちは。K Braces矯正歯科原宿駅前 院長の小林 聡美です。

 

今回も上下顎前突(重度の出っ歯、上下の前歯が唇側に出ている状態)が原因で
 

口元が出ている(歯槽性の上下顎前突)
さらに口元が閉じにくい症状(口唇閉鎖不全)
顎が引っ込んでいる(一般に「顎なし」と呼ばれる状態)
 

の改善をご希望された患者様の治療例をご覧いただきます。
こちらの症例もとても似ておりますので、併せてお読みください。

コラム:中〜重度の歯槽性の上下顎前突、口唇閉鎖不全の治療例

口ゴボでお悩みの方は下の記事もぜひお読みください。

コラム:口ゴボ改善で横顔をスッキリ!

このコラムをみて「自分に当てはまるかな?」と思った方はぜひカウンセリングにいらしてください。
※こちらの記事は今回の患者様の事例です。実際の治療は個人差がありますのであくまで参考とお考えください。
 

いわゆる「口ゴボ」がこちらに該当します

「口ゴボ(くちごぼ)」という呼ばれ方をご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、この症状が「口ゴボ」に該当します。
実は「口ゴボ」は専門用語ではなく、最近一般的な呼び方としてネットを中心に広まっているようです。
矯正専門医でもこの呼び方を知らない場合がありますので、できるだけ正しい呼び方を覚えておいて頂けると診察時もスムーズになります。
 

「顎なし」の状態で「梅干しジワ」の出現

▼治療前の写真です。
顔では上下の唇が前方に突出し、口元全体が出っ張った感じになっています。

口が閉じにくい「口唇閉鎖不全」の状態なので、無理に閉じようとするとオトガイ部に「しわ」ができてしまっています「梅干し状の隆起」と呼ばれるものです)。
また口元が出っ張っている影響もあり、見た目に顎が引っ込んでいる(一般に「顎なし」と言われる状態です)のが強調されてしまっています。
  ▼こちらが口腔内の写真です。

口腔内は、重度の出っ歯上下の前歯が前に傾いている状態上下顎前突といいます)が認められました。

 

 

患者様へのご説明、治療プランの決定

無料カウンセリングから診断を経て、患者様とリスクや副作用などについてのお話を入念に行い、ご納得を頂けました。
こちらのご説明内容はとても重要な情報ですのでいつも掲載しています。お読みの方はぜひチェックしておいてください。
診断 口唇閉鎖不全、大きなover jet、上下顎前歯の唇側傾斜(歯槽性の上下顎前突)、上顎中切歯の翼状捻転、上下顎中等度の叢生
治療法 上顎左右第一小臼歯・下顎左右第二小臼歯の抜歯、ミニスクリューによる加強固定、裏側の矯正装置による治療
治療期間 2年6ヶ月(通院回数30回)
治療費 裏側全体矯正 ¥1,210,000-
矯正用インプラント ¥165,000-
抜歯4本 ¥44,000-
精密検査 ¥55,000-
※すべて税込表記です
リスク 治療中の虫歯の可能性、上下顎前歯の歯根吸収、ミニスクリュー埋入部位の炎症
副作用 治療中の矯正装置による口内炎、治療後の抜歯空隙の後戻り

 

抜歯を行い矯正用インプラント(アンカースクリュー)を使用した治療

治療は

上左右の第一小臼歯、下顎左右第二小臼歯を抜歯して、可能な限り前歯を後ろに下げる
矯正用のインプラント(ミニスクリュー、アンカースクリューともいいます)を用いて、抜いた隙間を全て使って前歯を後退させる


ことで横顔と口元の改善を行うことになりました。

▼こちらの写真は、今回用いられたアンカースクリューです。
左右に小さな丸い金属が見えるのがお分かり頂けるでしょう。これがアンカースクリューです。

いろいろなデザインの使い方があるのですが、これは最もシンプルな使い方です(矯正装置は、裏側矯正を選択されました)。
「インプラント」というともっと大きな装置を想像される方も多いようですが、このようにとても小さく、お口の中でもあまり違和感はありませんのでご安心ください。

 

口ゴボ、梅干しジワ、「顎なし」の改善

▼術後の写真です。
上下の前歯を後退させることで口唇閉鎖不全が改善したことで、とてもすっきりとした、審美的な横顔を獲得することができました。

「顎なし」状態の改善も、横顔の印象に大きな変化をもたらしています。

▼口腔内の写真を見ると、治療前からの改善がよくわかります。
ここまでの歯の移動はやはり「抜歯」と「矯正用のインプラント」の影響がとても大きかったと思います。

 

アンカースクリューがもたらした大きな治療効果

矯正用のインプラント(ミニスクリュー、アンカースクリュー)を用いたことで上下の前歯を可能な限り後退させることができ、比較的短い治療期間でとても良い治療結果を得ることができました。

医師側の様々なご提案とご説明を、患者様が思い切って受け入れてくださったからこその結果だと思っています。
やはり矯正治療は患者様とのコミュニケーションが重要であることを実感しました。

 

3年未満の治療期間で改善しました

治療期間は、2年6ヶ月でした。
 
●抜歯とその後の凸凹の改善:4ヶ月
●抜歯したスペースの閉鎖:1年10ヶ月
●最終的な咬み合せと配列の調整:5ヶ月

 

こちらの症例もとても似ておりますので、併せてお読みください。

コラム:中〜重度の歯槽性の上下顎前突、口唇閉鎖不全の治療例

 


  デジタル矯正システムを基に適切な診断と治療方針で矯正治療を行うことで、短い治療期間でとても効果的な治療が行えることをお分かりいただけたと思います。
今後も、皆様の参考になるような術前術後の症例をご紹介をして参ります。

 

参考資料

口ゴボ
http://www.jos.gr.jp/information/file/guideline.pdf

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0889540608000097

https://www.jstage.jst.go.jp/article/dokyo/31/1/31_KJ00007361178/_article/-char/ja/

 

歯科矯正用アンカースクリューガイドライン第二版

https://www.jos.gr.jp/guideline

 

 
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

① 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
② 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や療期間に影響します。
④ 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
⑩ 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
⑫ 矯正装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
⑮ 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
⑯ あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
⑱ 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
 

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